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2009年5月24日 (日曜日)

ザリガニのふるさと北海道 〜頑張れニホンザリガニ、アメリカ野郎にまけるな!

 ウチダザリガニをご存知だろうか? 内田さん家で飼ってるザリガニのことではない。
 米国コロンビア川流域が原産のウチダザリガニは、雑食性で繁殖力が強く、成長すると体長15センチ前後にまでなるエビ目・ザリガニ科の甲殻類で、環境省は2006年2月、コイツを特定外来生物に指定した。特定外来生物とは、海外から入ってきた外来生物のうち、人の生命・身体や生態系、農林水産業などに被害を与える侵略的な外来生物のことで、生きたままの運搬、放流は原則禁止、違反者には最大で1億円の罰金が科せられる。特定外来生物による被害が生じている場合は防除することもできるが、その場合は環境省の許可が必要となる。また、原因者にその費用が請求されることもあるそうだ。ウチダザリガニの生息域としては北海道の他に滋賀県、福島県の冷涼な河川、湖沼でも定着が確認されている。

 ウチダザリガニの厄介なところは、ニホンザリガニよりも大きくて強いことだ。外国からやってきた強敵によって日本固有種ニホンザリガニは次々と補食され、病気を染され、すみかを追われて数が激減したあげく絶滅危惧種に指定され、レッドデータブックに記載されるほど落ちぶれて(?)しまった。
 なにより体格差がある。ニホンザリガニは大人になっても6cmほどだが、ウチダザリガニはその倍以上にまで育つのだ。ある年代の人にはおなじみのアメリカザリガニ(こいつも特定外来生物)だって10cmくらいにはなる。いまや「ザリガニ」といえばアメリカザリガニを指すまでにメジャーな存在となっている。
 すっかり肩身の狭い我らがニホンザリガニとしては、まことに棲みにくい世の中なのである。

 では、なぜ外来種が日本にいるのか。
 1930年(昭和5年)、水産庁が食用として摩周湖に放流したのが北海道におけるウチダザリガニの起源で、その後、人為的な放流で道内各地に生息域が広がった。道自然環境課の調査によると、網走管内では鹿ノ子ダム(置戸町)、武利ダム(遠軽町)、斜里川(斜里町)でも棲息が確認されている。また、昨年は美幌町内の網走川中流域と、網走川に流れ込む美幌川支流の鶯沢川でも初めて確認された。美幌博物館が中心となり、昨年の六月から半年間で3416匹が駆除されている。
 ウチダザリガニは食用として国内に持ち込まれたものが野生化し、在来種を駆逐する勢いで生息域を拡大させている。しかし彼らだって必死で生きている。種族が滅亡しては大変だから卵だって産む。人間によって持ち込まれたものなら、その個体数を人間がコントロールできる環境が整えば、それに超したことはないはずだ。

「食用ならいいじゃん! ジャカスカ獲って、天丼やシャブシャブにして、もうお腹いっぱい!」
 実は、阿寒湖漁協では、17年前から毎年4、5トンを水揚げし、塩ゆでにして「レイクロブスター」の名称で販売しているという。環境省の指定前から漁業権を取得しているので、食材として取り扱えるそうだ。一キロあたり1785円で、実に計算もシッカリしている。泥臭さのないさっぱりした味わいが評判で、フランス料理の高級食材として注目されている。そのほか、美幌博物館では捕獲したウチダザリガニを発酵処理して堆肥化する実験を先月からスタートさせた。
 本年度は、今月23日から調査が開始されたが、今年は「セブンイレブンみどりの基金」から約80万円の助成を受けられることになった。昨年は一匹も発見されなかった上流の古梅ダムでは、ダイバーの活用も検討しているというから本格的!
 ちなみに「ウチダザリガニ」という名前の由来だが、北海道大学の内田亨教授の標本が種の分類に役立ったため、その名が付けられたそうだ。
(北海道新聞5月22日朝刊を参考)


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